校長の道徳授業

君に贈る応援歌シリーズ2 「心の旅に出よう」

2011.06.11

前回 「いやな過去から自分を解放しよう」と題して、過去のいやな思い出はすっかり忘れて、君が望むこと、希望や目標なんでもいいから、こうなれば楽しいだろうなと思うことを探して、それをノートに書くことをすすめました。

そして試しにそれが実現したときのことを想像してみてください。本当に楽しくなってきますから。

実は、それが地獄のような苦しい状況から天国のような幸せな人生をつかむ最も簡単で誰にでもできる方法なのです。つまり「心しだいで人生が変る」のです。

今月からはその心の世界に君を誘いたいと思います。題して「心の旅に出よう」(その1)です。

心の旅の乗り物は「タイムマシーン・勇志号」です。これは過去へも未来へもそして世界中どこへでも、さらには宇宙や極微のミクロの世界へも、時間や空間を超越して自由に行き来できる心の中の乗り物です。

1回目の今月は君の心の中の過去への旅です。さあ出発です。「出発進行!行き先は君の過去の思い出です」

勇志号はどんどん過去にさかのぼっていきます。いろんな過去の思い出が「勇志号」の窓の外に次から次に飛ぶように過ぎ去っていきます。この勇志号は君の心に深く刻まれている思い出のシーンに来たら自動的に停車するようにセッティングされています。そして一つだけ注意しておきますが、停車した思い出の場所に君が降りるかどうかは自由だけど、勇志号の出入り口の扉を開けて降りるとその思い出は「現在」に帰るときお土産に持って帰ることになることを忘れないでください。

さあ、タイムマシーンが急停車しました。ここはどこだか君にはわかりますか?そうか、不登校になって悶々として過ごしていた頃の君の部屋ですか。じゃあお土産に持って帰りたくは無いでしょうね。では勇志号の出入り口の扉は開かずに出発しよう。「出発進行!」

今度はどこですか? 中学校の教室のようですね。みんなによってたかっていじめを受けたあのときの中学校の教室でしたか。ここもパスだな。 よーし、出発進行!

ほらまた止まりましたよ。ここはどこ? 雨が降っていますね。 お母さんが傘を持って迎えに来て下さって一緒に帰った小学校の帰り道ですか。君の顔はニコニコとこぼれるような笑顔で輝いていますよ。楽しそうですね。ここは降りたいでしょう。降りたくない?なぜ?今のお母さんが嫌いだから?しかし君の心は降りたがっているよ。素直になりなよ。ゆっくりしてきな。思いっきり甘えてくるんだよ。待ってるからね。

お帰り。どうしたの。すぐ現在に帰りたい?そうか。昔のお母さんに会ったら「今」のお母さんに会いたくなったんですね。あんなにお母さんが嫌いといってたのにな。今会ってきた昔の優しいお母さんが本当のお母さんだったとわかったのですね。

さあ、もう少し先まで行ってみますか。もういい?それでは「現在」へ帰りましょうか。

その前にもう一度注意事項を話しておきます。勇志号が止まったところは君の心に深く残っている思い出のシーンでした。しかし君が勇志号の扉を開けて外に降りたシーンだけがお土産に持って帰れて、君が通り過ぎたシーンはそのまま過去に置いてくることになります。ですからその思い出は「現在」に帰ると君の心の中からきれいに消えてしまいますがよいですね.持って帰りたい「いやな思い出」があるならば、そのシーンにいけるようにセットしますよ。

そして今回の「君の心の旅」では3シーンだけでしたが、いつでも何度でも行くことができるように「勇志号」の無料無制限の乗車切符をプレゼントしましょう。いやな思い出は何度でも勇志号に乗って過去に置いてきて消してしまいなさい。そして楽しい思い出やうれしかった思い出など「良い思い出」だけを探し出して、「現在」へのお土産に持って帰って来てください。この乗車切符を使うか使わないかは君の自由です。

次回は君の未来に旅立ってみましょう。お楽しみに。


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