校長の道徳授業

青い鳥を探して18 「日本の国柄」

2014.02.07

以前は「国民の絆」について勉強しました。

今回はその国民の絆の原点とも言える「日本の国柄」について更に詳しく勉強しましょう。

現代の日本人は老いも若きも、男も女も「自分探し」が一種の社会現象となっています。自分が何者か分からなくなってしまったのです。だから不安でたまらない。しかし探してもなかなか自分が何者なのか分からなくて結果的に不安を一層募らせているのです。

昔の人がどうであったか資料がないので分かりませんが、恐らくこの現象は現代日本人に特有のものではないかと思います。なぜかというと、現代の日本人は自分が日本人であることはもちろん自覚していますが、では日本という国はどんな国なのか、日本人とはどんな民族なのかということになると、トンと分からなくなるのです。それでは自分が何者か分からなくなって当然でしょう。だって日本人なのに日本が分からないし、日本人が何者か分からないのですから…。

今月は、そんな君に日本という国はどんな国なのかという話をしたいと思います。それが日本の国柄ということであり、それを知ることこそが同じ日本国民としての絆を深める原点となるからです。

では本論に入りましょう。日本は立憲君主制の国であることは君も知っているよね。日本の国の国柄は一言で言うと、天皇陛下を中心とした国家であるということです。しかもそのルーツをたどると神話の時代までさかのぼっています。神話と現代が連続してつながっているという世界に類例のない国だということなのです。

日本国憲法の第1章は、8か条にわたって天皇について規定しています。第1条には「天皇は日本国の象徴であり国民統合の象徴」であるとあります。憲法には書いてありませんが、天皇陛下は象徴であると同時に紛れもなく日本国の元首です。日本国民の中に天皇は元首ではないという一部の人々がいることも確かですが、世界中のすべての国は日本の国家元首は天皇であると認識しています。ころころ代わる総理大臣が日本の元首でなくてよかったね。

そして国の中心であります天皇は第1代の神武天皇から第125代の今上天皇(現在の天皇陛下のこと)に至るまで2670年もの長きにわたって世襲されてきたのです。これはまさに奇跡的なことです。このことを「万世一系」(ばんせいいっけい)といいます。

これは世界の君主制をとっている国と比較してみると如何にすごいことかが分かります。

世界で君主制をとっている国は26カ国あります。その多くはヨーロッパにあります。イギリス、オランダ、ベルギー、スウェーデン、デンマークなどです。ヨーロッパ以外では、タイ、マレーシア(9人のサルタンの5年ごとの輪番制)などがあります。しかし日本以外はすべて君主制は一時期中断して共和制に移行した経験があるのです。例えばイギリスの王室は、1640年クロムウェルのピューリタン革命によって、国王が処刑されて共和制に移行し、クロムウェル死去後しばらくたった1714年に、ドイツの貴族ハノーバー家から国王として招き、再び王制に復帰し今日に至っていますが、イギリスの王制はこの時期断絶しているのです。

一方、アジアの君主制の国タイはどうでしょうか。今のタイ国王は18世紀後半に誕生したチャクリ王朝で、その前は400年くらい続いたアユタヤ王朝です。ですから現王朝は2百数十年の歴史しかありません。

日本に似た由緒ある王室は、そのほとんどが20世紀のはじめまでに消滅してしまっています。ヨーロッパの現存する王室のほとんどは、近代になってから、国際政治上の必要性などから他の国の貴族などにお願いして国王になってもらった「便宜上の君主制」として復活させたということなのです。

世界に現存する王朝の成り立ちに3タイプあるといわれています。1つは「王権奪取タイプ」。力で前の王家を滅ぼして自ら王位に付くタイプですね。もともとヨーロッパや中国などの君主はこのタイプです。2つは、「契約タイプ」です。国民との契約で国王に即位するケースです。近代になって復活した王家がこのタイプです。3つ目は何かというと、日本の皇室なのです。日本の皇室には姓がありませんよね。今上天皇の御名は「明仁」(あきひと)、昭和天皇は「裕仁」(ひろひと)と申し上げます。麻生とか安倍とか鳩山とかの姓がないのです。外国の王様には性がちゃんとあるのになぜ日本の皇室だけ無いのでしょうか。それは皇統(天皇の血筋)が代わることが無かったからなのです。だから歴代の天皇の系譜をたどっていけば古事記や日本書紀の神話の世界にたどり着くのです。

日本天皇の特徴の2つ目は、祭祀をつかさどる存在だということです。君もお正月には家族と一緒に神社に初詣に行って1年間の無病息災を祈るでしょう。天皇陛下は年中、常に国民の幸せと国の安泰そして世界の平和を祈っておられるのです。ですから全く「私心」がないのです。選挙を気にする必要も、出世する必要も、お金儲けする必要も全く無い。ただひたすら国民皆の幸せを祈っていただいているのです。 ご皇室が一代も絶えることなく連綿として続いて来たのは決して武力や政治力や経済力ではありません。武力を持ったのはほんの一時期に過ぎないし、天皇が直接政治を行われたのもほんのわずかな時期だけで、ほとんど政治的実権は失われていました。経済力にしても皇居の塀があちこち壊れて修繕すらできず、天皇陛下の御座所の明かりが外からうかがえた時代すらあったのです。

ではなぜ誰も天皇に取って代わろうとしなかったのでしょうか。それが世界に例が無い日本の国柄の最もすごい点なのです。それは天皇の存在が「徳」によって成り立っているからです。人徳の徳です。天皇の徳を聖なる徳、「ご聖徳」といいます。

だからどんなに政権が変わろうと、為政者が悪いことをしようとも、国難に直面しようとも、国家の中心がぶれなかったからこそ、日本の国は危機を乗り越えてこれたのです。

日本の国柄、それはこのような尊い無私にして徳高き天皇を中心として国民全部が家族のような国だということです。それを知ることが自分が何者かを知ることであり、国民の絆の自覚を深めることなのです。そしてそれこそが、真の「幸せの青い鳥」だったのです


関連記事

カテゴリー

アーカイブ

勇志国際高等学校への
お問い合わせはこちら CONTACT

お電話でのお問い合わせ 0120-5931-35

イメージ