校長の道徳授業

青い鳥を探して6 「愛の力」

2011.12.22

今年も12月になりました。今年最後のテーマは、「愛は力なり」にしました。「愛」には人生を変える強力な力(パワー)があるという話です。パワーにはプラスとマイナスがありますが、「愛」はもちろんプラスのパワーです。しかもこの宇宙で最も強力なプラスのパワーなのです。ですから君が「愛」の思いを持つとすごい力で君の人生をプラスの方向に引っ張ってくれます。

10月号の「君の思いが君の人生を創造する」を読んだ人はすぐピンと来たと思いますが、人間の思いや感情には波長があってパワーを持っているということを説明しました。その中で「愛の思い」が最も強力なプラスのパワーを持っているということなのです。

「愛」と一口で言っても「愛」にはいろいろあります。自分の国を愛する愛国心、ふるさとを愛する郷土愛、母校への愛校心、家族をつなぐ肉親の愛、友達との友情、異性間の恋愛、そしてペットなどへの愛情等々。

確かにいろいろあるけれども、全てに共通している「愛の要素」がある。何でしょうか?実はその全ての愛に共通している要素こそが、「愛の本質」なのです。

それは「自他一体感」の感情ですよ。自分とその「愛の対象」とが一体だという感情です。難しいようだけれどいつか分る時がきます。

愛国心だったら、祖国である日本の国と自分が一体だという感情ですね。日本の国の一国民であると自覚するときに、日本が愛おしくなる。日本の悠久の歴史があって自分がある。日本という国があって自分が生きていける。地球市民などといってあたかも国に関係ない人種がいるような表現をする人たちがいますが、この地球上に生きている全ての人はそれぞれどこかの国民であり、どこかの国民としての国籍がなければ生きていく場所がないのです。ですから自分の国に誇りと愛情を持つということは人間にとってとても大切なことなのですよ。

郷土愛も愛校心も家族愛も、そして友情も恋愛も同じように「自他一体感」の感情です。ただ恋愛の場合は少し特殊な愛です。それは特定の異性間にのみ生じる「自他一体感」の感情で、他のケースとは違ってきわめて排他的な「愛」です。二人以外は寄せ付けない感情である点で他の「愛」とは違いますね。だから嫉妬心が付きまとって苦しい愛でもある。

ではその「自他一体感」の感情である「愛」が、なぜ宇宙で最も大きなパワーを持っているのでしょうか。

それは、命の本質が「愛」であるように、宇宙の本質もまた「愛」だからなのです。君が「愛」の感情をもつと、人々の命の本質である「愛」と君の命の本質である「愛」がお互いに反響しあって、宇宙の愛と同化して宇宙のエネルギーを引き寄せるのです。

ただ、恋愛は二人だけの愛だから、その相手のためには大きな力を発揮しますが、他の多くの人の命とは反響しません。愛の対象が大きくなればなるほど大きく反応しますから、引き寄せる宇宙からのエネルギーも大きくなる。同時に大きな愛を持つと平行して自分の心も大きくなります。

スクーリングのときの道徳の授業で、人は皆幸せになるために生まれてきて、幸せになるために生きていくのだよということと、人を幸せにすることが自分が幸せになる方法だよと、いつも強調しています。このコーナーでも以前書きました。それと同じことですね。

人を幸せにするということこそ愛です。恋愛だってそうです。相手を幸せにしたいと思って結婚する。相手が幸せそうにしてくれるから自分も幸せ一杯になるのであって、相手が結婚したことを後悔して悔やんでいるなら、こちらはもっと不幸ですよね。

大事なことは、自分だけが良い目にあいたいとか、幸せになろうとか思ってはだめだということなのです。こういう心を「利己心」といいます。利己心だけでは幸せにはなれません。なれないどころか苦しくてたまらない。周りのみんなからは相手にされなくなるし、自己嫌悪に陥ってさらに苦しくなるだけなのです。利己心はマイナスのパワーなのです。

人間の命の本質は「愛」だから、愛が発揮されたとき喜びを感じます。その喜びこそが「幸せ」なのです。愛が発揮された心の状態を「利他心」といいます。この利他心こそがプラスのパワーであり「愛」なのです。

子供のときは誰しも「利己心」しかありません。しかし成長するにつれ「利他心」が育ってこなければならないのです。だって子供のときは「利他心」がなくても親がかわいがって育ててくれるから問題ない。しかし大きくなるにつれ親以外の人との関係が大きくなっていきますね。これを社会性といいます。社会とのかかわりの中で「利己心」だけでは生きていけないのです。まして命の本質である愛が発揮されないのですから苦しくてたまらない。

君が今、もしも苦しんでいるのなら、誰でも良いから困っている人がいたら少しだけ手助けしてごらん。お母さんが忙しくしておられたら、お手伝いする。電車やバスの中でお年寄りが立っておられたら、さっと立って席を譲る。これだけでいいのです。それが「利他心」が発揮されたことなのです。君の命の本質である「愛」が発揮されて大きなプラスのパワーとなって君の心を苦しみから解放してくれるのです。そして君の人生が大きくプラスの方向に舵を切ることになる。

現代の若者はそのことを教えられていません。学校で権利は教えても義務をあまり教えてくれなかったからだと私には思えてなりません。子供のときに権利なんて教えても理解できません。利己心を増大させるだけです。義務を教えないと利他心は育たないのです。世の中というのは、義務を果たして初めて権利が与えられると教えるのが大人の務めなのに…。たぶん子供たちに良かれと思って権利を強調した教育をしてきたのでしょうが、その結果は、多くの若者を苦しませるだけでしかなかった。

愛は最も強力なプラスのパワーなのです。利他心とは愛の別名です。自分だけが幸せになろうとする心は利己心です。利己心はマイナスのパワーです。だから人は利己心で幸せになれません。少しずつでいいから人様が喜ぶことをしてみようよ。その人が喜ぶ以上に、多分その何倍も、君の心のほうが喜んでいることに気がつくから…。プラスのパワーのほうがマイナスのパワーより比べ物にならないくらい強力だから、今までマイナスばかりだったからと心配する必要はないんだよ。利他心が発揮された瞬間から全てのマイナスが消えて、君の人生はプラスに変わるのです。

それでは、愛情あふれる良い年を迎えてください。


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