校長の道徳授業

青い鳥を探して16 「 家族の絆」

2012.12.07

これまでに「結婚」をテーマに話をしてきました、今回はその続きになります

結婚というのは、結局、本来ひとつだった魂が男と女に分かれて生まれてきて、それが出会ってまたひとつに結ばれて完全な形になるということなのだよ。その結びによって無限の価値が生まれてくるのです。その第一は結婚によって授かる新しい命です。これはすごいことですよ。だってどんなに科学が発展しても、アリの子一匹作り出すことは出来ないのですからね。

また、結婚によって新しい命が授かるということは、数えきれないほど多くのご先祖によって営々とバトン・リレーで引き継がれてきた君の命を、さらに次の世代へとバトンを渡すことでもあります。この命の永遠の継承を君の代で途絶えさせるということになっては、ご先祖様に余りにも申し訳ないことです。いや、ご先祖だけではないね。生まれてくる予定の何千何万という君の子孫がこの世に生まれてこられなくなるということですよ。その中にはどんな天才がいて、どれだけ人類に大きな貢献をするかわからない。君に与えられる予定の「未来の無限の可能性」を、自ら拒絶することになってしまう。

さらに、結婚するということは、新しい家族という共同体(コミュニティー)を創ることでもあります。そのコミュニティーの中に大きな喜びや幸せがあるのです。幸せの青い鳥が数え切れないほどいっぱいそこにいるのです。

しかしその結婚や子育てに対する日本人の価値観がおかしくなってきました。それに加えて家族の絆まで崩壊して来たというのです。

勇志国際高校の理事の御一人に、伊藤哲夫先生という方がいらっしゃいます。その伊藤先生が長年運営してこられた「日本政策研究センター」の機関誌で「明日への選択」というすばらしい雑誌があります。勇志の先生たちはみんな読者で、いろいろと貴重な勉強をさせていただいています。その8月号で「今、無縁社会が広がっている」という記事が載っていました。このなかで、今年1月に放映されたNHKのスペシャル番組「無縁社会―無縁死3万2千人の衝撃」のことが紹介されていますが、この番組は私も見ていて、大変ショックを受けたことを記憶しています。無縁死が増加して日本が無縁社会になりつつあるという内容です。無縁死というのは、遺体の引き取り手がない「死」であり、NHKの調べでは年間3万2千件もあるというのです。

そのような時、今度は所在不明の高齢者の続出と言うショッキングなニュースが連日報道されました。事の発端は、7月初旬のこと、東京都足立区の111歳になる高齢者が実は30年も前になくなっていて、頭部は白骨化、体はミイラ化しているのが発見されたという報道でした。これをきっかけに全国各地の自治体で調査をしてみたら出るわ出るわ、所在不明の高齢者が続々と出てきた。神戸市など105名も出てきた。日本は長寿世界一なんていってたけど、100歳以上のお年寄りでとっくの昔にすでになくなっていた人が多くいらっしゃることがわかってきた。これらの高齢者の方々は、誰かの両親であったり祖父母であったりでしょう。何十年も連絡すらしなかった例も多くあったというではありませんか。父親や母親が、あるいはおじいさんやおばあさんがどこに住んでいるのかも知らず、元気なのか亡くなったのかの関心すらなかったということになります。こんな悲しいことはありません。勇志の教育方針は第一番目に「親孝行する青少年たれ」と掲げています。それは親を大事にしなくて真の幸せはないからですよ。

さらに驚くことに、無縁死の場合、お年寄りに限らずその4割は現役世代(64歳以下)だというのです。世代に関係なく孤立化が広がっている。これらの現象は何を物語っているか。それはまさに日本社会から急速に家族の絆が失われつつあるということです。日本人にとってこんなに不幸なことはありません。

ここで改めて家族の絆の大切さについて考えてみたいと思います。

昨年12月号の「愛は力なり」で述べましたが、人間の本質は「愛」です。だから愛が表現できたときに人は大きな喜びを感じるのです。その喜びこそが実は「幸せ」の正体なのですね。人間の本質が愛だということは、人間は愛なくして生きていけないということですし、人間は一人では生きていけないということでもあります。したがって一人の人間が生きていくためにはその周りに「共同体」が存在しなければならないということになる。

共同体(コミュニティー)には学校もあれば職場もあるし、友人とのグループもあるでしょう。君が住んでいる地域も共同体ですし、地域を拡大していくと郷土、そして国家と共同体は拡大していきます。では最も自然で最小かつ基礎的な単位としての共同体は何でしょうか? そうです! 正解! 家族ですね。家族こそ人間にとってもっとも自然でかつ基礎的な最小単位の共同体なのです。だから家族の絆が崩れると社会は成り立たないのです。家族の絆は人間にとってもっとも必要なものだということ分かってくれたかい?

「絆」というのは「自他一体感」の感情です。この「自他一体感」こそが、実は「愛」そのものなんですね。家族への愛が家族の絆ということです。君にとって君のご家族はひとつの家族として一体感があるでしょう。その一体感が家族愛であり家族の絆なのです。この絆こそ君にとって最も大切な「幸せの青い鳥」なんだということを決して忘れてはなりません。

そしてその絆で結ばれた家族共同体の中から、君が結婚して新しい共同体という絆が誕生する。そして子どもが授かると、君の家族への愛情はさらに大きく膨らみます。その子が将来孫を産みます。すると君の幸せは飛躍的に大きく膨らんで老後を迎える。これが人生ですよ。

今、選択的夫婦別姓とか話題になっているけど、それでなくても家族の絆が崩れていってるのに、夫婦がそれぞれ別の性を名乗るようになったらどうなるか。誰だってわかることなのに、政治家や学者さんたち頭が良いはずの人たちが提唱しているのは、なんとも理解できないね。本当は彼らは頭が悪いのかな? と思ってしまいます。

いま、日本人の青い鳥がどんどん逃げていってると私には見えてなりません。君の青い鳥は逃がしてはだめだよ。先生たちが皆で逃がさないようにコーチするからね。


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