🎓 高卒認定と通信制高校の違いは?最終学歴・進学・就職から考える選び方
「高認を取ればいいんじゃない?」
高校を辞めた、あるいは辞めようか考えているとき、進路の選択肢として「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定・高認)」の名前が出てくることがあります。
高卒認定と通信制高校は、どちらも高校卒業後の進学やその先を考えるときに比べられる制度です。ただし、同じものではありません。
いちばん大きな違いは、「高卒認定に合格すること」と「高校を卒業すること」は別だという点です。
この記事では、最終学歴、進学、時間、学び方の4つから整理します。

📜 いちばん大きな違いは「最終学歴」
文部科学省は、高卒認定試験について「合格者は高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる」としていますが、高校を卒業しなければ最終学歴は「高等学校卒業」にはなりません。
一方、通信制高校を卒業すると、最終学歴は「高等学校卒業」です。全日制・定時制・通信制のどの課程を卒業した場合でも、「高校卒業」という点は同じです。
大学・短大・専門学校などへの進学資格を得ることが主な目的であれば、高卒認定が向いている場合があります。一方、就職や資格試験などで「高等学校卒業」を要件とする場面まで考えるなら、最終学歴の違いも確かめておいてください。
📝 高卒認定試験とは?
高卒認定試験は、高校を卒業していない人に対して、高校卒業者と同等以上の学力があることを認定する国の試験です。合格すると、大学・短期大学・専門学校などの受験資格を得られます。

👤 受験できる時期
16歳になる年度から受験できます。全日制高校に在籍したまま受験することも可能です。ただし、18歳未満で全科目に合格した場合、大学入学資格として効力が生じるのは満18歳の誕生日からです。
📚 試験科目
国語、地理、歴史、公共、数学、理科、英語、情報などがあり、選択方法によって合格に必要な科目数は9〜10科目です。
📅 実施時期
試験は原則として年2回、8月と11月に実施されます。
🔁 一度ですべて合格する必要はありません
高認は、合格した科目を次回以降に持ち越せます。令和7年度第1回試験では、受験者8,493人のうち全科目合格者は3,992人(47.0%)でしたが、1科目以上に合格した人は7,684人(90.5%)でした。
「1回で全部受からなければ終わり」ではありません。
🤔 高卒認定と通信制高校、どちらを選ぶ?「3つの考え方」

1. その先で何をしたいか
大学等への受験資格を早く得ることが目的なのか、高校卒業という学歴を取得したいのか。就職や資格取得まで含めて考えると、必要なものが変わります。
2. どれくらい時間をかけられるか
高認は年2回の試験で必要科目をそろえるため、準備の状況によっては高校卒業より早く次へ進める場合があります。
一方、高校卒業には74単位以上の修得と、通算3年以上の在籍などの要件があります。前の高校に在籍していた期間や修得単位を引き継げる場合もあるため、「通信制に入ったら必ずそこから3年間」というわけではありません。
3. 今の生活・学習の状態に合うか
高認は、自分で試験に向けた勉強を進める場面が多くなります。一方、通信制高校には、レポートの提出期限、スクーリング、試験などがあります。
どちらが楽かではなく、「自分ならどちらなら続けられそうか」で考えてみてください。
通信制高校のスクーリングの日数や、行けなかったときの対応については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
🤝 実は「どちらか一方」ではありません

高卒認定と通信制高校は、必ずしも二者択一ではありません。
文部科学省の制度上、高認で合格した科目について、高校側が卒業単位として認定できる場合があります。また、高校で修得した単位によって、高認の試験科目が免除されることもあります。
ただし、卒業単位として認めるかどうか、何単位として認定するかは在籍校の判断です。高認を受験する前に、在籍している高校へ確認しておくことをおすすめします。

🌱 勇志国際高校では、高認の合格科目を単位認定した実績があります
勇志国際高等学校では、高卒認定で合格した科目を卒業単位として認定した実績があります。また、「大学入学資格としての高認は取得しているけれど、学歴として高校卒業資格も取得したい」という理由で入学された方もいます。
ただし、何科目・何単位を認定できるかは、それまでの履修状況などによる個別の判断です。すでに高認で合格している科目があれば、入学のご相談のときに科目名をお知らせください。
⏳ 「もう高校卒業には遅い」と決める前に
高認を考えている方の中には、「今から高校へ入り直しても、卒業に間に合わないのでは」と思っている方もいます。
千葉学習センターに2020年度以降に入学した921人のうち、高1の4月・10月以外の時期から入った生徒は293人(31.8%)でした。約3人に1人が、一般的な入学時期以外から学び始めています。
さらに、2023〜2025年度に「高3」の学年で千葉学習センターへ入学した38人は、38人全員が卒業しています。
ただし、これは「高3のどの時期からでも必ず卒業できる」という意味ではありません。入学前に、前籍校での在籍期間・修得単位・卒業までに必要な単位を確認し、卒業予定年月を見通したうえで受け入れた生徒の結果です。
通信制高校の卒業率や、卒業までの支援については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
▶「通信制高校の卒業率や、卒業までの支援」
💡 高認を否定する必要はありません

高認のほうが本人に合う場合もあります。たとえば、大学受験資格を取得することが明確な目的で、自分で受験勉強を進められる場合などです。
一方、学習の進み具合を先生と確認しながら高校卒業を目指したい場合や、高校卒業後の進路も含めて相談したい場合は、通信制高校という選択肢があります。
ご相談では、主に次の4つを確かめます。

1. その先に何をしたいか。
2. 前の高校ですでに修得している単位があるか。
3. 高認ですでに合格している科目があるか。
4. 今の生活・学習のリズム。
これらが分かると、その生徒の場合に卒業までどれくらいかかるのかを、具体的な卒業予定年月として考えることができます。
💬 まだ、どちらにするか決めていなくても構いません
「高校を続けるのか、高認にするのか、まだ決めきれない」という段階でご相談いただいて構いません😊
前の高校にまだ在籍している場合は、退学を決める前に、修得済みの単位や在籍期間を確認しておいてください。通信制高校への転入という方法が使える場合もあります。
高認と通信制高校のどちらが優れている、という話ではありません。その先に何をしたいのか、今どのくらい学習できる状態なのかを一緒に整理しながら、その人に合う道を考えていければと思います。

今の高校からの転入を考えている場合、転入時期や単位の引き継ぎについては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
運営:勇志国際高等学校(学校法人 青叡舎学院)
本記事で引用した制度の内容は、文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」(概要資料)、同「高等学校卒業程度認定試験とは」、および「令和7年度第1回・第2回高等学校卒業程度認定試験実施結果について」に基づきます。高等学校の卒業要件は学校教育法施行規則および高等学校学習指導要領によります。高認合格科目の単位認定は在籍校の判断となるため、実際の取扱いは学校へご確認ください。