今を生きる

2018年01月15日

 

皆さん、明けましておめでとうございます。

 本年が皆さんにとって輝かしい年でありますように勇志の教職員一同祈っています。

1月号から新シリーズをスタートします。

「戦後」と言われた時代はもはや72年間が過ぎ、我が国を取り巻く情勢は終戦当時とは大きく変化しました。いわゆる「戦後体制」のままでは通用しなくなってきました。戦後体制というのは、わが国が大東亜戦争に敗北し、戦勝国の占領政策から始まった日本国憲法を頂点とする国家の仕組みのことです。

この「戦後体制」から脱皮して新しい時代にマッチした「日本」に生まれ変わらなければ、間違いなく我が国の将来は惨憺(さんたん)たるものになってしまいます。皆さんの輝かしい未来の為にどうしても乗り越えなければならない大きな壁なのです。

その主役は、まぎれもなく君たち若い世代です。私たちのような高齢者はもう老い先短い。ですから私たち古い世代が今やらなければならないことは、若い世代に自らの体験から得た「生き方」や「目指すべき方向性」をアドバイスすることだと思っています。

最近、年を尋ねられたら27歳だというようにしています。ただし本年の誕生日には37歳になりますから、1年間で10歳づつ年を取ることになる。ですから1年間で10年分の仕事をしようと思っています。

そういう自分に言い聞かせる意味でも、新年号のテーマを「今を生きる」としました。

まず、私が作った下手な詩を読んでください。

 

「今を生きる」

 

人生は「今」の連続。

「今」はこの瞬間に過去になり、未来はこの瞬間に「今」になる。

時間の矢は、未来へ向かって飛び、過去へ向かうことはない。

人生で大事なこと、それは「今」を精一杯生きること。

過ぎたことは忘却の彼方に置いて行け。

ひたすら時間の矢の向かう方向に顔を向け、

己の時間の矢の標的から目を離すな。

そして「今」を全力で生きるのだ。

 

高校生のための道徳「この世に駄目な人間なんて一人もいない!!」105頁の第14話「コンプレックスを吹っ飛ばせ」の中で、人生の歩きかたとして次のような文章を書いています。

 「人間の生き方にはいくつかのタイプがあります。

 人生を、後ろ向きで歩くタイプ、カニさんみたいに横歩きするタイプ、そして前を向い

て歩くタイプです。

 君はどちらのタイプですか?

 どちらの歩き方が良い歩き方かわかりますね。

 わからなければ実際に歩いてみればいいですね。

まず後ろ向きで歩いてごらん。ただし一般道路では危ないからやってはダメだよ。誰も

いない運動場であっても何かにぶつかりそうで怖くて歩けたものではないね

 次に横歩きしてみようか。これも同じで、怖いし、歩きにくくて長くはできないよね。

 やはり歩くときは前を向いて歩く方がいいに決まっています。

しかし人生となると、多くの人が後ろを向いたり、横を向いたりして歩いているのです。後ろ向きというのは、過去のことばかりにこだわって、悔やんだり悲しんだり悔しがっ

たり愚痴ったり、あるいは昔の自慢話ばかりしたりというタイプです。お年寄りに多いよね。

 横を向いて歩くタイプというのは、人の目や世間体ばかり気にして暮らす人のこと。これは若い人や社会的地位が高い人に多いタイプです。」

 

 13年間、校長として若い諸君と接してきて、後ろ向きに歩いているのはむしろ若い人たちに多いことに気が付きました。お年寄りは同じ後ろ向きでも昔の自慢話や思い出話の方ですね。考えてみると、若いということは人生体験に乏しいから、いやな体験も少ない。だからその数少ない記憶が忘れられないのですね。年を取るとそんな経験は数えきれないほどあるから、すぐ忘れる。しかし昔の自慢話ばかり聞かされるのもいただけないよね。しかも何度も、何度も。私も気をつけないと。

 「前を向いて歩く」というのは、将来に夢や希望をもって、それに向かって努力する生き方なんだけど、もっと分かりやすく言うと、「なりたい自分」をイメージしているかどうかということだよ。なりたい自分が具体的にイメージできたとき、心の中では、もう既にそれは実現している。あとはそのイメージを持続すると、自然に何かをしたくなる。その時の努力は楽しくて疲れないからいくらでも頑張れる。これが前を向いて歩く人生だ。

 スクーリングで「なりたい自分」を皆に書いてもらっているけど、それは、前を向いて楽しく充実した人生を歩んでもらいたいからなんだよ。

 

 私は、若いころから合わせて8回選挙に立候補しました。4回は市会議員と県会議員の選挙。これは全勝。そのあとが悪い。国政選挙に出たのが4回。全敗。最初の国政選挙で落選した悔しさやみじめさ、そして支持者に対する申し訳なさで、それまでの人生で最も嫌な思い出です。

2回目の挑戦に当たって、この時の悔しさをバネにしようと思って、あの落選が決まったときのことを忘れないように、毎朝家を出る時に思い出して、よし、もうあんなみじめな経験はしないぞ、と誓って出発するわけです。

ところが結果は前回よりもっとみじめな惨敗。

その次も、その次も、おんなじことの繰り返しで結果は悪くなるばかりでした。最初の落選の時の悔しさやみじめな思いを忘れずに思い出しては自分を奮い立たせていたのが間違いだったのです。つまり後ろ向きで全力疾走していたようなものです。

 結果は、無理に思い出していた落選の体験を自ら再現していたのです。強い思いは、善いことも悪いことも、こうして必ず現実化するという体験をしました。

 選挙から身を引いた時、もうあのみじめで悔しい体験を忘れてもいいんだと思ったとき、世の中は、こんなにも美しく楽しい世界だったのかと、改めて気が付きましたよ。

 

今、私が気になって仕方がないことがあります。

それは、今の日本のありかたが、昔の自分、つまり落選した時の嫌な思い出を後生大事にして、自らを奮起させようとして、もっと悲惨な結果を自ら招いてしまった体験、つまり後ろ向き(過去にこだわった)で走って失敗したこととダブって見えて仕方がないことです。

敗戦という日本が初めて経験した悲惨な過去にこだわり続けてきた72年間の戦後の歴史でした。もう二度とあのような悲惨な経験をしないように、「反省」を繰り返し「平和主義」に徹してきた戦後日本の姿。それはまさに国民挙げて後ろ向きに全力疾走してきた時代ではなかったのか、ということなのです。

72年間も後ろ向きに走れば疲れますよ。今の日本は疲労(ひろう)困憊(こんぱい)の極みにあると見えてならないのです。

今回のテーマは「今に生きる」です。日本もいい加減過去から解放されて、「今に生きる」時が来たのではないかと痛切に思います。

でないと72年前よりもっと悲惨な結果が待っているかもしれないのです。

時間の矢は未来に向かって飛ぶのです。君たちが「なりたい自分」をイメージするように、日本の理想像を国家目標として描いて、国民が一致団結してその目標に向かって努力していく時代を創っていくのです。

その崇高な使命は君たち若い世代の双肩にかかっています。

 

校長の道徳授業 | 投稿日: 2018年01月15日 | 投稿者: 編集

最新記事

カテゴリ

アーカイブ